高齢者が運動を行うメリットや効果とは?おすすめの運動は?
年齢を重ねると
- もう若くないから・・・
- 体力が落ちてきたから・・・
といった理由で、運動から遠ざかってしまう人もいるかもしれません。
若い頃のように体が思うように動かなくなったり、疲れやすさを感じたりすると、「無理をしない方がいいのでは」と考えるのも無理はないことです。
しかし、実は、高齢者こそ運動の恩恵を最も受けやすい世代だといわれています。
加齢による体の変化は自然なものですが、その多くは「何もしないこと」で進みやすく、「適度に体を動かすこと」でゆるやかにすることが可能です。
運動は単に体力をつけるだけのものではありません。病気の予防、認知機能の維持、気分の安定、睡眠の質の向上、そして自分のことを自分でできる生活の維持など、人生の質そのものに深く関わっています。
つまり運動は、健康寿命を延ばすための大切な土台となるのです。
ここでは、高齢者が運動を行うメリットや具体的な効果、さらに無理なく続けられるおすすめの運動について、日常生活との関わりも交えながら、わかりやすく解説していきます。
なぜ高齢者にとって運動は重要なのか

加齢とともに、例えば、以下のように、私たちの体にはさまざまな変化が起こります。
- 筋肉量の減少
- 関節の動きの低下
- 骨密度の低下
- 心肺機能の衰え
- バランス能力の低下 など
これらは、加齢に伴って、どうしても起こることでありますが、何もしなければ進行が早まります。
その結果、「歩くのがつらい…」「転びやすい…」「疲れやすい…」「外出がおっくう…」といった状態につながり、最終的には要支援・要介護状態へと進んでしまうこともあります。
しかし、適度な運動を続けることで、これらの変化のスピードをゆるやかにし、場合によっては改善も期待できます。
つまり、運動は、健康寿命を延ばすのに、極めて有用といえるのです。
高齢者が運動を行う主なメリット・効果

それでは、ここからは、高齢者が運動を行う主なメリット・効果について述べていきます。
主なメリット・効果は、大きく、下記の6点です。
- 筋力低下を防ぎ、日常生活が楽になる
- 転倒予防につながる
- 生活習慣病の予防・改善
- 認知機能の低下予防
- 気分が明るくなり、うつ予防にも
- 外出機会が増え、社会とのつながりを保てる
詳しく述べていきます。
筋力低下を防ぎ、日常生活が楽になる
高齢者に最も大きな影響を与えるのが、筋肉量の減少(サルコペニア)です。
筋肉が減ると、立つ・座る・歩く・階段を上るといった基本動作がつらくなります。
そのため、運動、とくに軽い筋力トレーニングを取り入れることで、例えば、椅子からスムーズに立てる、長く歩ける、荷物を持つのが楽になるといった変化を感じることも可能になります。
つまり、運動を行うことにより、筋力低下を防ぎ、日常生活が楽になります。
転倒予防につながる
高齢者のけがの原因で多いのが転倒です。
骨折をきっかけに寝たきりになるケースも少なくありません。
一方で、運動を行うと、脚の筋力や体感の安定性、バランス感覚、反応速度を向上させることが可能で、転倒予防に役立ちます。
例えば、片足立ちやゆっくりしたスクワットなどの簡単な運動でも、継続することで「ふらつきにくい体」に近づいていきます。
生活習慣病の予防・改善
高齢になるほど、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心疾患といった生活習慣病に対して不安に思うことが多いでしょう。
運動には、血圧や血糖値を安定させる働きがあり、これらの病気の予防や重症化防止に役立ちます。
特にウォーキングのような有酸素運動は、内臓脂肪の減少にも効果的です。
薬だけに頼るのではなく、体を動かす習慣が健康の土台になります。
認知機能の低下予防
運動は「体」だけでなく「脳」にも良い影響を与えます。
体を動かすことで脳への血流が増え、神経細胞の働きが活発になります。
実際に、運動習慣のある高齢者は、運動習慣がない人と比べて、認知機能の低下がゆるやかであることも研究で示されています。
例えば、リズム運動や簡単な体操などは、脳の活性化にもつながります。
体を動かすことは、認知症予防の観点からも非常に重要です。
気分が明るくなり、うつ予防にも
高齢になると、退職や人間関係の変化などもあり、気持ちが沈みやすいときも多いでしょう。
そんなときに、おすすめなのが、やはり、運動です。
運動をすると、ストレスが軽減する、気分が前向きになる、睡眠の質が向上するといった精神面の効果が期待できます。
軽い運動でも「体を動かした」という達成感が自信につながり、生活にメリハリが生まれます。
外出機会が増え、社会とのつながりを保てる
体力がつくと外出がおっくうでなくなり、人との交流が増えます。つまり、運動は、孤立予防にも大きな意味があります。
体操教室など、運動をきっかけにコミュニティが広がることも少なくありません。
心身の健康は、社会とのつながりとも深く関わっています。
高齢者におすすめの運動
それでは、ここからは、高齢者におすすめの運動を紹介します。
高齢者にとって重要なのは、やはり、安全性です。
運動強度の高い運動を行ってけがをしてしまえば、元も子もないので、ここでは、安全性が高く、かつ、続けやすい運動を、下記の通り、紹介します。
- ラジオ体操
- ウォーキング
- 椅子スクワット
- かかと上げ
- 片足立ち
ラジオ体操

まず、最初におすすめしたいのは、ラジオ体操です。
ラジオ体操は、全身約400の筋肉をまんべんなく刺激することができる優れた運動です。
腕・脚・体幹などをバランスよく使うため、短時間でも効率よく体をほぐせます。
強度も高すぎず、高齢者にも適しています。毎日の習慣に取り入れやすく、音楽に合わせて楽しく続けられる点が大きな魅力です。
なお、当記事執筆者は、高齢者施設などでもラジオ体操・みんなの体操の指導を行っています。詳細は、お問合せください。
ウォーキング

最も手軽で効果的な運動です。
特別な道具や場所が必要なく、思い立ったらすぐに始められる点が大きな魅力です。
外の景色を楽しみながら歩くことで気分転換にもなり、心身のリフレッシュにもつながります。
会話ができるくらいのペースで、1日20~30分を目安に行うと良いでしょう。
無理に速く歩く必要はなく、「少し体が温まる」程度で十分です。慣れてきたら時間を少しずつ延ばすと、より効果的です。
椅子スクワット

脚の筋力を維持するのに効果的な運動で、日常生活の動作に直結する大切なトレーニングです。
特に、太ももやお尻の筋肉を鍛えられるので、立ち上がりや歩行が楽になります。
「いすにゆっくり座る→ゆっくり立つ→いすにゆっくり座る・・・」という動作を、5~10回程度から始めます。
ポイントは、勢いをつけず、とにかく動作をゆっくり行うことがポイントです。
転倒予防にも直結する重要な運動です。
かかと上げ

ふくらはぎを鍛え、歩行力を高める運動です。
ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に戻すポンプの役割を担っています。
立った状態で、ゆっくりかかとを上げ下げするだけの簡単な動きですが、血流改善やむくみ予防にも役立ちます。
支えにつかまりながら行うと安全です。
片足立ち

バランス能力向上に効果的な運動です。体の安定性が高まり、ふらつきや転倒の予防につながります。
机や壁につかまりながら、左右それぞれ10~30秒を目安に行います。
無理をせず、できる範囲の時間から始めることが大切です。
運動を安全に行うためのポイント

運動は、ぜひ、継続して行っていただきたいのですが、運動を行うにあたって、注意すべきことがあります。
それは、安全性です。とにかく、安全第一で行うことが重要です。
運動によってけがをしてしまうと、しばらく、体を動かすことができず、むしろ、加齢による体の負の変化が早まってしまう可能性もあります。
運動を行うときは、下記の点に注意して行うようにしてください。
- 体調が悪い日は無理しない
- 痛みが出る動きは避ける
- 水分補給を忘れない
- 急に強い運動を始めない
- 医師から運動制限がある場合は従う
少し物足りないくらいで、やめていただいて問題ありません。
ただし、運動は、三日坊主で終わってしまうとあまり意味がありませんので、継続するようにしてください。
最後に
高齢者にとって運動は、
- 体の衰えをゆるやかにする
- 病気を防ぐ
- 転倒を予防する
- 認知機能を守る
- 心の健康を支える
- 社会とのつながりを保つ
といった多くのメリットがあります。
特別なスポーツをする必要はありません。
歩く、立つ、伸ばすといった基本的な動きを日常に取り入れるだけで十分です。
「もう歳だから」ではなく、「歳だからこそ動く」。
この意識が、これからの人生を元気に、自分らしく過ごすための大きな鍵になります。
運動で、健康寿命を延ばしていきましょう。
私は、健康をテーマにした運動指導・講演会・セミナー、イベント出演等を行っています。
<取得資格>
・全米ヨガアライアンスRYT200
・1級ラジオ体操指導士
・国際ボディメンテナンス協会パーソナルストレッチトレーナー
・スポーツリズムトレーニング協会認定アカデミーコーチ
・基礎心理カウンセラー
大阪府門真市・大阪府寝屋川市を拠点に活動しており、その他エリアも出張可能です!
ラジオ体操やヨガ、運動講習会、メンタルヘルス講演会、健康イベントを取り入れたいなど、興味がある方・企業団体様は気軽に「ラジねえ。」まで♪
投稿者プロフィール

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ラジオ体操・スポーツインストラクター
一般社団法人ラジーン代表理事(大阪・関西万博「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創パートナー)
企業、自治体、スポーツ競技団体等年間100団体以上と協業し、健康に関する講習会や講演会を各地で実施。TVラジオなどのメディアにも出演し、ラジオ体操を通じて健康・スポーツの普及推進活動を行っています。
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